お金稼ぎの治験バイト。危険な治験バイト。そんな不名誉な言葉を浴びせられながら、それでも治験くんが頑張る理由。

ところで、なんで治験くんがこんなに蔑まれながらも頑張ってるかわかる?実は治験くんにはどうしてもやらなきゃいけないことがあるんだ。ここからは治験くんが目指している未来について説明していくよ。

治験がおこなわれる理由

はじめに、なんで治験がおこなわれるかについて説明しようか。それは、日本でくすりを販売するためには厚生労働省の認可が必要だからなんだ。そして、その許可のためには日本人を対象にした治験がおこなわれないといけないんだ。


もっというと、海外ですでに販売されているくすりでも日本で販売するためには、治験がおこなわれているんだよ。「海外で売られてるんなら、そのまま日本で売れないの?」って思うひともいるかもしれないけど、遺伝子や食生活、身体の大きさなんかも違うから、くすりの効き目も変わってくる可能性があるんだ。だから、くすりの効き目や安全性はもちろん、日本人にあった服用量はどれくらいなのか?ということまで確かめられなければならないんだ。

そう、実はここに治験くんが頑張っている理由があるんだよ。世界中には何万種類というくすりがあるんだけど、世界の売上TOP100のくすりに日本で販売されていないくすりはなんと11品目(2010年時点)もあるんだ。これは「ドラッグラグ」って言われてるんだけど、その原因のひとつとして言われているのが、日本は治験の参加者が集まりづらいってこと。その結果、治験のコストが高くなってくすりが発売されるまでのスピードも遅くなってるって言われてるんだ。なんで集まりづらいか理由はわかるかな?


その理由はね、


ぼくたちは生まれた時から保険証のお世話になっていて、病気や怪我で病院に行った時に、治療費やくすり代の3割とかを払ってるよね。これはぼくたちにとっては当たり前なんだけど、実は世界じゃ当たり前じゃないことが多いんだ。


日本のように、すべての国民が公的な保険を使える制度がない国もたくさんあるんだよ。例えばアメリカで公的な保険が使えるのは、高齢者や低所得者と認められた方のみで、その他大勢は任意で保険に加入しなければだめ。ただ、やっぱり任意なだけにその任意の保険の加入もしていないひとも10%近くいる。だから、盲腸などの手術を受けた場合、何も保険に加入していないと400-500万もかかるって言われてるんだ。これだけみても、日本は医療負担という意味でとても恵まれている国なんだね。


でもね、残念なことにだからこそ余計に治験参加者が集まりにくいとも言われてるんだ。

なんでかって、だってみんなこう思わない?


「別に治験なんか参加しなくても、安く治療が受けれるし、くすりだって手に入る。わざわざリスク背負って治験に参加するメリットがどこにあるの?」
確かにそのとおりなんだ。また、それに加えて「副作用」とか「危ない高額バイト」とかっていう、治験くんに対するイメージもその原因の一旦を担っているのかもね。

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